介護福祉業界において、半永久的になくならないんじゃないかと思えるほど根深いのが「人材不足」の問題です。
「いい人材が入った」と思ったら長続きせずに辞められてしまう。心の領域を重要視して関係性を強め、福利厚生やサポート体制をしっかり整えたら、今度は「働きがいがない」という。環境が良すぎても課題が大きすぎても次世代が育たないという問題が上がってきています。
働き方における”ちょうど良さ”を求められていますが、そう簡単に実現することはできません。
今回は、そんな介護福祉業界で働く人が、どのように考えたら自分自身のキャリアに向き合い、高い自己重要感をもって仕事をすることができるか?次世代リーダー層を育成するために、ぜひ取り入れていただきたい3つの原則について解説します。
「ここに居ていいのか?」考え続ける
昨今増えている働き方としてあるのが「働く場所、時間を自由に自分で選べて理想の生き方を選べる働き方」というものです。
時代背景も後押ししてしまっており、介護福祉関係に勤める7割もの人がわずか3年未満で離職してしまっています。

引用元:厚生労働省
「多様性」という言葉が離職・転職の自由を後押ししている現状ですが、介護福祉業界における多様性とはどのようなものなのか?「このまま、この会社に居て自分は成長できるのか?」「生活は安定するのか?」という不安が拭いきれません。
コロナ禍では軒並み経営が成り立たない同業が多く、業界全体がどうなるかという状態でした。しかし、パンデミックを乗り越えた今となっては「自由すぎる働き方が人材離れを加速」してしまっています。
そのため、あらたに求められてきているのが「働く意味」です。
働くことで欲しいもの、得たい欲求への理解
介護福祉業界に勤める人に欠かせないのが「働きがい」です。当然、生きていくのに必要な収入だったり、仕事以外のプライベート時間も欠かせません。しかしながら、”次世代リーダー層”と言われる30代前後の方々が特に欲しているのが「自己成長」です。
介護福祉業界に勤める方々は、貢献や成長に対する欲求が強い傾向があります。たとえば次のようなものです。
今の現場にいて「成長」できるのか?
利用者さんに心から寄り添うことができているのか?
自分よがりになってしまっていないか?
このようなことを毎日真剣に業務に向き合っているからこそ生まれてくる課題や心境の変化が、逆に心を苦しめることになってしまっていることがあります。
仕事から離れたいわけではないし不満があるわけではない。けど「別の施設の方が成長できるのではないか?」と考えたとき、将来に対して強い不安感を覚えるといいます。
働く幸せと成長を両取りしたい
介護業界に蔓延っているのが「次世代リーダー層が育たない」問題です。そのせいで、次の図のように、倒産してしまう老人福祉・介護事業が増加傾向です。

引用元:東京商工リサーチ
超高齢化社会に突入している日本で欠かせないのが介護福祉事業なのに、教育者がまったく足りていないのが現状です。
しかしながら、介護福祉業界に勤める方々で比較的多いのが、仲間との関わりや利用者さんとのかけがえのない時間を丁寧に向き合っていきたいという方々です。
具体的には次のようなものです。
「もっと成長したい」
「もっと利用者さんに喜ばれるためにはどうしたらいいのか」
「もっと良い方法があったのではないか?」
このような、自発的にポジティブに考える方が増えている反面、「ここに勤めていていいのか?」という漠然とした不安を抱く方が増加傾向です。
働き方を選びやすくなった現代だからこそ、働く幸せと自らの成長のバランスが取れていることが重要で、良い意味で悩みが変わってきているといえます。
次世代リーダーが続々と生まれる教育体制3原則
私たちスパークルキャリアが重要視しており、私たち自身が「次世代リーダー層」と言われる世代であるからこそわかる、「育成」という側面に立った時に欠かせない3つの原則を解説します。
1.暗黙知より共に過ごした未来を描くこと
次世代リーダー層、具体的には30代〜40代くらいの働き盛りの人たちから見直されてきているのが「これくらい言わなくてもわかるよね」という価値観です。
「教わるのを待っているのではなく、人の仕事は見て盗むもの」という姿勢は、いち早く成長するためには欠かせない価値観ではあります。しかし同時に、「言わなくてもわかるよね」という姿勢によって次世代が育ちにくいという現状です。
そのため、「わかってるかどうか、出来るかどうかをしっかり見定められる」環境が求められています。日本の偉人である山本五十六の次のような格言にもある通り、人材育成には上司・先輩の模範が必要不可欠です。
「やってみせ、言って聞かせてさせてみて、ほめてやらねば人は動かじ」 |
自分がやったことで第三者人が喜んでくれて、自分にとってそれが喜びとなることがわかれば誰でもその通りにやるのです。よりよい未来を一緒に創っていくとは、その姿勢を上司や先輩が先に見せることだと考えています。
2.教える姿勢より共に成長する姿勢を見せる
「教えてもできない」「伝えたが通じない」という言葉を近頃よく聞きます。しかしながら、同時によく聞くのが「上司から言われたことの意味がわからない」という若年層の意見です。
原因として挙げられるのが「コミュニケーション不足」です。仕事において、部下が教わったことをすぐに出来ないのは当たり前です。言われてすぐその場ですべて完璧にできてしまえば上司は要りません。
では、具体的にどう向き合ったらいいのか?次のような言葉を投げかけることが重要です。
「あなたの考え方を教えてもらうことで、自分も成長できる」
「今抱えてる課題や悩みを、お互いのために教えて欲しい」
「もしかしたら他の人も同じ課題を持ってるかもしれない。だからこそこれからのためにも今解決方法を探したい」
このような姿勢を見せることによって、部下・後輩が「自分の悩みを素直に伝えてもいいのかもしれない」と考え素直に向き合ってくれるようになります。
3.日々の成長と貢献を見える化する
重要なのに介護福祉業界では実装しにくいのが「成果の見える化」です。営業やマーケティング系のスタッフのように、行動したことがそのまま数値となって反映されれば貢献度も一目でわかります。
ですが、業務成績を数値化しにくいからこそ「何で評価するか」という指標を設定しなければなりません。
そこでおすすめなのが、
「毎月必ずスタッフとの面談時間を作ること」 |
当たり前のように感じるかもしれませんが、忙しさを理由に実践できない企業が増えています。社長や人事のトップに位置する人たちが客観的に想いに寄り添う時間を作ることなのです。
もしかしたら、仕事に熱心になりすぎて思ったようにいかず、落ち込んでしまっているというパターンもあるかもしれません。逆に、実は対して頑張っていないのに、まるで毎日精一杯頑張っているように見せるのが得意な人もいるかもしれません。
指標の見える化は簡単ではなく、社内の判断のみでは難しいことも多いです。必ず実装しなければいけないということもないですが、そうした取り組みをしているとわかれば社員の仕事に対する姿勢に変化が起きてきます。
少し勇気のいる取り組みではありますが、適切な上下関係を築いて次世代のリーダー層を育成することが課題となっている方は、ぜひ意識してみてください。
介護福祉業界で求められている「仕事と豊かさのバランス」
数年前から「ウェルビーイング」という造語が流行っていますが、まさに介護福祉業界にこそ「個人と社会の関係性のいい状態」は必要です。
愛情をもって仕事をしているのに、収入が少なく苦しんでいたら幸せではありません。かといって、給料が多くてお財布が豊かな代わりに職場の雰囲気が悪かったり、プライベートの時間が全く無ければ本末転倒だといえます。
両方が適切に両立するからこそ、仕事と豊かさのバランスが取れている状態を実現できると考えており、だからこそ社内の関係性や評価制度を見直す必要があります。
好きな仕事で喜ばれながら適切な収入を得る。そうすることで今より5年後10年後はどのような幸せが得られているかをイメージすることができる。明確な未来を描くことができれば、人離れは減るということです。
介護福祉業界の次世代リーダー層の学び場を生み出します
弊社スパークルキャリアでは、自分の未来がイメージしにくい、「このままこの会社に居ていいのか?」「介護業界に疲れてしまった」という次世代リーダー層が少しでも減るように、働く人たち向けの心のケアや学びの場、成長の場を作っていきたいと考えています。
どうしたらもっと成長できるのか、より利用者さんに喜んでいただくためにはどうしたらいいのか、社内がもっと円滑に過ごしやすくなるようにするためにはどうしたらいいのかなど、真剣に考えているからこそ悩む次世代リーダー層を支えるための場をつくります。
これからまだまだ増え続ける介護福祉業界の需要を支えるための供給、つまり働く人が全く足りていません。もちろん、業界を引っ張る次世代リーダー層も不足しています。
一人でも多く、介護福祉業界の担い手が必要です。その一人にあなたもなってみませんか?弊社スパークルキャリアでは、自己成長したい介護福祉業界の方々を応援する環境を準備しておりますので、まずはぜひ気軽に弊社の転職サポートサービスにご登録ください。
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