大学4年生。周りは次々と内定を決めている。SNSには「決まりました!」という報告が溢れている。自分は、まだ何もしていない。「どうしよう」という焦りが、毎日、心の底にある。
でも、適当には決めたくない。だから、先延ばしにしてしまう。すると焦りはもっと大きくなる。「やる気がない」のではなく、「慎重すぎる」のかもしれない。「やりたいことが見つからない」のではなく、「本当に納得できる選択肢を探している」のかもしれない。
その焦り、実は「本当の願い」を見つめるチャンスかもしれません。
「スーツを着て働く大人」に憧れた
人それぞれ、キャリアの出発点は違います。この学生のように、「大人になりたい」という漠然とした憧れから始まる人もいれば、「介護の仕事がしたい」と明確な目標を持つ人もいます。
スーツを着て、責任を持って、誰かのために働く。そういう大人の姿に惹かれていたこの学生も、実は「人の役に立ちたい」という想いが、根底にあったのかもしれません。けれど、その想いを形にすることが難しい。周りが決まっていく中で、自分だけが取り残されているような感覚。その焦りの正体は、何なのか。
周りが決まっていく焦りの正体
「やる気がない」のではなく「適当に決めたくない」
焦りを感じるのは、実は強みです。なぜなら、それは「後悔したくない」という思いの表れだからです。多くの人は、焦りに逆らうことなく、条件で選んだり、周りの意見に従ったりします。しかし、この学生のように焦りながらも「慎重に選びたい」と考える人は、実は自分の人生に真摯に向き合っているのです。
やる気がないわけではない。むしろ、やる気が強すぎるからこそ、「ここで選んだ決断が、自分の人生を左右するかもしれない」と、その重みを感じているのです。
一対一なら話せる——自分の強みに気づく
就職説明会で、たくさんの人の前で話すのは得意じゃない。でも、誰かと一対一で、じっくり話すなら、気持ちが落ち着く。このように、自分のコミュニケーションスタイルが見える人もいます。
実は、この「一対一なら話せる」という特性が、介護・福祉の現場では大きな強みになります。利用者さんとの信頼関係を築くには、じっくり向き合う力が必要だからです。周りとの比較で「自分は口下手だ」と評価していたことが、実は「傾聴力がある」「相手に真摯に向き合える」という強みだったのです。
焦りの中で、自分の弱みばかりに目がいきます。けれど、その焦りと真摯に向き合うことで、自分の強みが見えてくることもあります。
「人の役に立つ仕事」という原体験
キャリアの道を決めるとき、多くの人は「職業」を選んでいるつもりです。でも、本当は「どう在りたいか」「何を大切にしたいか」を選んでいます。
この学生の話を聞いていると、「人の役に立つ仕事がしたい」という想いが、繰り返し出てきます。それは、誰かを支えている親の姿を見たのかもしれません。学校のボランティアで、介護施設を訪れたのかもしれません。あるいは、友人が困っているときに、力になれたときの喜び——その原体験が、今の焦りの根底にあるのです。
焦りの中で見失いやすいのが、この「なぜ、その仕事を選ぼうとしているのか」という問いです。周りが決まった法人で自分も内定を目指したり、家族に勧められた職業を選んだり。外的な理由で選択していると、入職後に「ここじゃない」という感覚が生まれやすいのです。
焦りの裏側にある「後悔したくない」という願い
焦りは、一見すると「不安」や「無力感」に見えます。でも、別の角度から見ると、それは「責任を持ちたい」「自分の人生に納得したい」という願いの表れです。
適当に決めてしまえば、焦りは消えます。でも、数年後に「こんなはずじゃなかった」という後悔が生まれるかもしれません。今、焦りながらも「慎重に選びたい」と考えている学生は、その後悔を避けたいからこそ、焦っているのです。つまり、焦りと向き合うことは、自分の人生と向き合うことなのです。
スパークルキャリアが就職支援をしていて、気づくのは、入職後に後悔する人は「条件で選んだ」人ではなく「自分の想いと向き合わずに選んだ」人だということです。年収や福利厚生も大事です。でも、それより先に大切なのは「自分は、どう在りたいのか」という問いなのです。
問いを持ち続けること自体が、可能性を照らす
キャリアを決める方法は、2つあります。
一つは「完璧な答え」を求めて、考え続けること。やりたいことが明確に見える瞬間を待つこと。でも、その瞬間は、多くの人には訪れません。
もう一つは「今、自分に見えていることで精一杯」と、その時点の最善を選ぶこと。完璧な答えはなくても「こういう環境で、こういう働き方がしたい」という、今の自分の想いに基づいて選ぶこと。
実は、二番目の方が、長期的には満足度が高いのです。なぜなら、その選択は「自分の軸」に基づいているから。入職後に「思っていたのと違う」という場面が出てきても「でも、これは自分が選んだこと」という納得感があるからです。
焦りながらも「自分は、どう在りたいのか」という問いを持ち続けること。その問い自体が、不確実な未来の中で、あなたの可能性を照らす光になるのです。「人の役に立ちたい」「信頼される大人になりたい」「チームで支え合える環境で働きたい」——そういう想いが、キャリアの決断を導くのです。
✦ 焦りと向き合うための3つの問い
問い1:なぜ、この道を選ぼうと思ったのか?
周りの意見ではなく、あなた自身の「人の役に立ちたい」という想い。その原体験は何ですか。
問い2:どんなときに、心が動くか?
利用者さんが笑顔になった瞬間?後輩が成長したのを見たとき?心が動く瞬間に、あなたの価値観があります。
問い3:5年後、どうなっていたいか?
完璧な答えは要りません。「こういう環境で、こういう働き方がしたい」という漠然とした方向感で十分です。
まとめ
就職活動の焦りは、弱さではなく、あなたが自分の人生に真摯に向き合っている証拠です。周りが決まっていく中での焦り、「何がしたいのかわからない」という不安。その感情の奥には「後悔したくない」という願いがあり、「人の役に立ちたい」という想いがあるのです。
焦りは「本当の願い」の入り口です。その焦りと向き合い、今のあなたが「どう在りたいのか」を問い続けること。その問い自体が、不確実な人生の中で、あなたの道を照らしていくのです。
もし、その問いに答えるのが難しければ、誰かに話してみてください。対話を通じて、あなたの中にある「本当の願い」が、形になっていくことがあります。スパークルキャリアでは、就職を決めていなくても、あなたの「こう在りたい」という想いを一緒に探ります。焦りを感じているあなただからこそ、本当に納得できるキャリアの道が見つかるのです。