スパークルキャリアを創業した日、自分の中にあったのは「不安」と「期待」が混在した感覚でした。介護・福祉領域のキャリア支援をしたいという想いはあっても、何も実績がない。システムもなく、営業手法も確立されていない。その中で、一人の仲間の「覚悟」が、経営者である自分の人生を大きく変えることになったのです。

声だけで築かれた信頼

その仲間との出会いは、スタッフの人材紹介会社での営業時代に遡ります。当時、私は営業マンとして、必死に電話営業をしていました。相手は見ず知らずの採用担当者。顔も見えない、信頼関係もない状況から、どうやって相手の心を動かすか。それはもう「声」と「言葉」しかありません。

何度もの断られを経験する中で、その仲間は、私の声を聞き分けていくようになったのです。「いつものあの人だ」という認識が生まれ、やがて「この人の言っていることなら聞こう」という信頼関係へと変わっていきました。それは、私が大きな実績を上げたからではなく、ただ誠実に、相手のことを考えながら、何度も何度も丁寧に接し続けたからなのです。

信頼とは、一度の大きな出来事ではなく、日々の小さな積み重ねの中で生まれるものです。

起業を支えた「静かな覚悟」

その仲間が、スパークルキャリアに最初のスタッフとして参加してくれた時、心の底から感謝の気持ちが湧き上がりました。なぜなら、その時点で当社には何もなかったからです。給与体系も定まらず、営業システムも確立されておらず、失敗が連続する日々。

その仲間は、妻子を支えながら、毎日1.5時間もかけて通勤してくれました。3人の子どもさんがいる中での選択です。普通なら、「こんな不安定な会社は無理」と思うはずです。しかし、その仲間は違いました。

何度も営業がうまくいかない日があり、システムの不備で苦しい時期もありました。そんな時も、その仲間から出てくる言葉は「これでいいですか?」「どうしましょう」というもの。不平不満ではなく、常に「どうすれば前に進められるか」という姿勢でした。

その覚悟は、決して目立つものではありませんでした。静かで、淡々としていて、ただ毎日を積み重ねるだけ。しかし、その静かな覚悟こそが、私を何度も支えました。経営者として弱気になりそうな時、「あの人がいるから頑張ろう」という気持ちに何度なったことか。

最も信頼できる営業になるまで

今、その仲間は、スパークルキャリアで最も信頼できる営業管理者になっています。初期の苦労の時期から一緒に歩んできたからこそ、組織の理念も、私たちが目指していることも、その仲間ほど深く理解している人はいません。

求職者の皆さんから「この人なら信頼できる」という評判も高く、採用企業からも「また、あの営業さんに会いたい」と指名が入ることも珍しくありません。それは、給与が高いから、成績が優秀だからではなく、その人の在り方そのものが、相手に信頼を与えているからなのです

毎日1.5時間の通勤も、妻と3人の子どもを支える責任も、変わっていません。それでも「できますか」と聞いても「はい、やります」と答える。その一言に、何度も私は救われています。

企業文化は、覚悟から生まれる

よく「企業文化」や「組織のビジョン」という言葉を聞きます。それらは重要ですが、真の企業文化は、紙に書かれたものではなく、一人ひとりの覚悟から生まれるものなのです。

研修をいくら受けても、マニュアルをいくら作っても、その根底に「覚悟」がなければ、相手には伝わりません。しかし、一人の人間が、「この組織のために、この仲間のために」という覚悟を持って日々を過ごしていれば、それが組織全体を動かします。

✦ 「信じられた」ことの重さ

その仲間が「あなたならできる。あなたなら大丈夫」と信じてくれたことで、自分自身も「自分たちはやっていけるんだ」という確信に変わりました。最初は不安だった、その確信も、その仲間一人の覚悟から生まれたのです。信じられることは、実は相手に何かをしてあげることではなく、一番の応援なのだということを、その時に学びました。

技術では代替できないもの

今の時代、AIやシステムが急速に進化しています。営業も、マッチングも、システムで自動化できる時代になりました。しかし、「この人に支援してもらいたい」「この会社に任せたい」という気持ちは、システムでは代替できません。

それは、相手の人間として在り方が伝わるかどうか、という問題です。誰かを信じ、その信頼を裏切らないという覚悟。毎日それを積み重ねること。そうした「人間にしかできないこと」が、本当は最も大切なのです。

経営者として、人間として、最も大切な学びは「信じられた重さ」を知ることです。

覚悟が組織を作る、信頼が人を育てる

スパークルキャリアが今も存続し、成長し続けているのは、何か優れたビジネスモデルがあるからではなく、そこに関わる一人ひとりが「この理念を信じ、この仲間たちと一緒に進もう」という覚悟を持っているからなのです。

求職者の皆さんが、「スパークルキャリアなら自分のことを真剣に考えてくれるだろう」と感じてくれるのも、採用企業の皆さんが「この会社の提案なら信頼できる」と思ってくれるのも、それは私たちスタッフ一人ひとりの、日々の覚悟が伝わっているからだと確信しています。

人を育てるのは、指示ではなく信頼です。組織を強くするのは、制度ではなく覚悟です。その仲間から学んだ、最も大切な経営者としての在り方は、それなのです。