スパークルキャリアでは、代表もインターンも、全員が下の名前で呼び合う文化があります。これを聞くと、「フラットな組織なんですね」と感じる人が多いかもしれません。実は、もっと深い意味があります。
それは「その人の人間性を大切にする」という組織づくりの最も基本的な姿勢を表しています。介護・福祉業界のように「人の人生に寄り添う仕事」をしている私たちだからこそ、チーム内でも一人ひとりの名前——その人の由来、背景、故事を尊重する必要があるのです。
今回は、なぜ私たちが「下の名前」にこだわるのか、その理由と、そこから生まれる職場環境について、お話しします。
「名前」は「役割」ではなく「存在」を呼ぶ
名前の呼び方というのは、驚くほど大きな力を持っています。
苗字で呼ばれるとき、その人は「○○部」「○○さん」という役割や所属を中心に認識されます。一方、下の名前で呼ばれるとき、その人は「その個人」として認識されるのです。
これは心理学の研究でも明らかになっています。自分の下の名前で呼ばれた人のほうが、より深い関係を感じ、心を開きやすくなるのです。
親がつけた名前に込められた想い
考えてみてください。親が子どもに名前をつけるとき、何を込めているでしょうか。強い子になってほしい、優しい子に育ってほしい、世の中に貢献してほしい——親の願いや、その時代の背景、家族の歴史が詰まっているのです。
苗字は「家」を表します。しかし下の名前は「その人の個性」「親の願い」「その人自身の人生」を表すのです。
下の名前で呼ぶということは、相手のそうした背景を尊重し、「あなたの人生と想いを大切にしています」というメッセージになります。
介護職だからこそ、名前が大切な理由
スパークルキャリアは、介護・福祉業界に特化したキャリア支援を行っています。その仕事の特性上、利用者さんの人生に深く関わります。
利用者さんのことを理解するためには、その人の「役割」ではなく「その人そのもの」を見る必要があります。同じように、自分たちのチーム内でも、一人ひとりの人間性を大切にすることが絶対に欠かせません。
介護職の方が「利用者さんとの関わりの中で心が満たされる」と感じるのは、その人の人生に寄り添っているからです。同じことが職場でも成り立つはずなのです。
✦ 心理的安全性は「システム」ではなく「名前」から始まる
心理的安全性という言葉をよく聞きますが、これは制度やルールで作られるものではありません。「自分が、その人として認識されている」という確信から始まります。それは名前の呼び方という、最も基本的なコミュニケーションで表現されるのです。
名前を呼ぶという習慣がもたらすもの
下の名前で呼び合う職場では、何が変わるのか。以下の3つが挙げられます。
自分の「内なる自分」を取り戻す
職場では無意識のうちに「役割を演じる自分」になってしまいます。経営層だから、新入社員だから、という立場から来る行動や言葉遣い。それは時に本当の自分の思いを見えなくしてしまいます。
下の名前で呼ばれることで、人は無意識に「役割の自分」ではなく「本当の自分」に戻ります。その中でこそ、本当の創造性、本当の共感、本当のチームワークが生まれるのです。
相手の背景を知ろうとする気持ちが生まれる
下の名前で呼ぶようになると、その人のことがもっと知りたくなります。「その名前、どんな由来?」「なぜこの道に進んだ?」——そうした質問が自然と増えます。
結果として、チーム内の信頼関係の深さが全く違ってくるのです。相手のストーリーを知ることで、単なる「同僚」から「人生の伴走者」へと関係が変わります。
組織文化が言葉ではなく、習慣に根付く
「人を大切にする」という理念は、スローガンではなく、毎日の習慣で表現されるべきです。毎回名前で呼び合うという小さな行為が、やがて大きな文化になり、その人の判断基準や行動全体に影響を与えていくのです。
「いのちのきらめきを引き出す」は、内側から始まる
スパークルキャリアの理念は「いのちのきらめきを引き出す」です。これは、利用者さんの人生を輝かせるサポートをするということ。しかし同時に、自分たちのチーム内でも、その実践が欠かせません。
一人ひとりのメンバーの「きらめき」を引き出すために、私たちが最初にできることは何か。それは、その人を「役職」ではなく「個人」として認識し、名前で呼ぶことなのです。
「どう働くか」より「どう在るか」を大切にする——それが、スパークルキャリアの組織文化の根幹です。そして、その「在り方」を尊重する最初の行為が、下の名前で呼び合うことなのです。
なぜシステムより「呼び方」が大切なのか
昨今、多くの組織が「心理的安全性」を重視し、1on1ミーティングやフィードバック制度を導入しています。これらは確かに大切な仕組みです。
しかし、これらのシステムがいくら整っていても、日々相手を苗字で呼んでいたら、その人の心に届くでしょうか。
本当の心理的安全性は、毎日、毎回、その人の下の名前で呼ばれることで初めて感じられるものなのです。制度よりも、習慣。ルールよりも、姿勢。
介護業界で働く皆さんも、もし職場の人間関係に違和感を感じているなら、まずは相手を下の名前で呼んでみてはいかがでしょうか。その小さな行為が、チーム全体の関わり方を変えるかもしれません。
まとめ:名前で呼ぶことから始まる組織づくり
組織文化は、大きなビジョンや制度では作られません。それは、毎日の関わりの中で、積み重ねられるものです。
スパークルキャリアが「下の名前」で呼び合うのは、フラットだからではなく、相手の人間性を最も大切にしているからです。それが、利用者さんに向き合う姿勢にもつながり、本当の意味で「いのちのきらめきを引き出す」ことができるのです。
もし、あなたの職場で一人ひとりが本当に輝けるチームを作りたいなら、最初の一歩は、ここからです。